アイアンマン フランス Ironman France
Swim3.8km Bike180km Run 42km
開催日:2006年 6月 25日 場所:フランス ニース
1.アイアンマンフランス ニース
フランス南部、イタリアへ続く海岸沿い(コートダジュール:フランス語で水色の海岸)にあるニースは、ヨーロッパでも有数の高級リゾート地として有名で、海岸には高級ホテルが立ち並んでいます。
ニースの海岸
SwimとRunは海岸エリアで行われ賑やかですが、Bikeは町の裏側にそびえる山岳地帯のため起伏が激しくアイアンマンシリーズ戦の中でもハードコースと言われています。そんなことを前から分かっていながら、Bikeの実走練習不足のまま参加した私にとってはホントに”過酷な”コースでした。
詳しくは後ほど・・・
大会自体はもちろん魅力的でしたが、「食べ物が美味しい」「海で遊べる」という点でも家族かもら好評の遠征でした。
メイン会場とゴールは海岸の目の前です
2.家族遠征
今年は私の家族に加えて、初めて英国の我家を訪れていた実母も連れて行き、パスタパーティー・アワードパーティー、アフターレースまでアイアンマンイベントを十二分に楽しんでもらいました。アイアンマン、それも海外に連れて行くことなどもうないでしょうから、人生最大の親孝行だったかもしれません。
母は「遺影にする」と冗談を言いながら写真をたくさん撮っていましたが、こんな元気であれば、とうぶん長生きするでしょう。
英国からニースへの移動には"Easy Jet"という安値の航空会社を使いました。チケットの売れ具合によって料金が日々変る独特のインターネット方式を使っていて、早めに予約すればかなり安くなるので、家族で移動する場合にはよくお世話になってます。今回は半年前に予約確定し、大人3人+子供2人+バイクケース1台 往復合計8万2千円で抑えられましたので、家計が助かりました。
3.受付+パスタパーティー
Registration完了!
Expo villageで登録を済ませてAthleteのバンドを巻きます。このバンドをするといつも「いよいよだな〜」とソフトな緊張感に包まれます。参加記念品のDay bagは少し派手です。
パスタパーティーは会場も広く、運営の出際も良くて、パスタ2種類、フランスパン、ジュース、フルーツなどなど充実していました。「子供無料」で入れてもらった我家の息子たちも気が済むまで、フルーツまで食べてました。(普段食べてないから・・・?)
日本からの参加は13人(30代6人、40代2人、50以上5人)で、年配の方が多かったです。
「時間」と「お金」の都合が必要なので働き盛りの若手の参加は少々難しいのかもしれません・・・
パスタが美味しいのはイタリアに近いから??
4.レース当日
いつもの通り、子供の寝ている早朝にパパだけ出発。
しらじらと明るくなりはじめている朝の街を、完走後に満足してホテルへ向かう自分の姿を想像しながら歩いた。
正直な所、今回はこれまでのアイアンマンレース出場の中でもっとも練習が少ないことを自覚していた。出張が多かったり、雨続きの英国の天候など「言い訳」はいくらでもあるけど、今更考えても仕方ない。とにかく自分を信じて「完走」を目指そう。
前日の試泳 海岸は石浜!!
Swimは海岸からの一斉スタート。青い海が素敵なコートダジュールというと「真っ白な砂浜」を想像しますが、実際はごろごろした岩が広がる「石浜」なので、歩くのも痛いのです。
今年もこうやってアイアンマンレースのスタートラインに立てる自分の環境に感謝しながらスタート合図を待ちます。
朝6時半、スタート合図とともに「いてっ!いたた!・・・」と言いながら石浜の上を歩いて長いレースが始まりました。あまりドラマティックなスタートではありませんね。
コースは周回時上陸する1.9kmx2周のコース。岸を底辺にダイヤモンド型に配置されたブイを回ります。スタートラインが横に広く、かつ最初のターンが沖合いであるので混乱も少ない良いレイアウトです。
泳ぎ始めてから身体が妙に浮く事に気がつき、「地中海の水って塩分が高いのかなぁ〜?塩分高いのは死海だったよなあ〜」なんて考えてました。
腹が出てますね・・恥
水深が深いので海底は見えませんが、前方を泳ぐ人ははっきり見える透明度です。1周目の沖合いで自分より少しだけ早く泳ぐ人の足を見つけたので、その足を見失わないよう少しペースを上げて泳ぎ1周目終了。
上陸時、その足の持ち主を確認したら、なんと! 50歳くらいの年配の方でした。元気な若者(?)が年配者の後にくっついて泳ぐことに恥ずかしさを感じたので、2周目は年配の方から離れて、自力で行きました。
2周目終了、「1時間11分」という好記録に自己満足してトランジションへ。しかし、バイクラックには殆んどバイクが残っていません。
「なんで〜?みんなそんなに早いの?これが欧州のレベル??」と訳が分からないもののとにかくバイクスタート。
海岸線のフラットコースを8km走ったあと、コースは山道へ。
最高標高1200m、総登板約2000m(公式発表)と言われているBikeコースは噂どおり厳しい。50km地点以降は20kmのだらだら登りで標高差1000mを登り続ける。
Bikeコースがきつい事は聞いていたのでDHバーの根元に貼り付けた「エイド地点」と「峠頂上」の距離のメモを見ながら自分を励まして前に進む。こういうメモって励みにもなる反面、「頂上まで20km・・・この登りでは時速は20km/hを切ってるから・・えっ!1時間以上かかるの?・・・ひぇ〜」なんて計算してしまうと逆効果の場合もあるんです。
バイクフィニッシュ前 ヘロヘロです
実走練習不足の身体はとても正直で、登りで踏み込めません。前に行くことだけが精一杯でスピードがあがらない。最近いつもの事ですが「練習不足」の自分に反省しながらとにかく完走」を目指します。
「ツールドJOYで練習しておけば、こんな時もっといけるんだろうなあ〜」などと色々なことを考える時間だけはたっぷりありました。
コース自体は森が多い山道で、どことなく日本と似ています。でもたまに現れる村には石造りの古い家が並び、情緒あるコースです。長い時間かけて走ったのでその分、景色だけは堪能できました。
ヘロヘロ状態でバイクフィニッシュへ。
Runは片道5.25kmx4往復の海岸線コース。3種目の中では得意なはずのRunでしたが、スタートしてすぐにいつもと足の状況が違うことがすぐに分かりました。Bikeの登りで疲労した足が痙攣直前状態で上がらないんです。でも、とにかく進みます。
1周目から辛いRunです。脱水にならないようにエイド毎に水分補給と身体の冷却を繰り返し、「エイド以外では歩かない」ことだけを守ってとにかく進みます。
辛い2周目、そして3周目、周回コースなのでメイン会場前でもらえる家族からの応援は何よりの励みです。ここでだけは笑顔が出来るのが不思議です。
1人1人に毎回ハンドタッチして応援してくれるパキスタン系のオジサンもいました。3周目までコースのすぐ横に座って応援してくれている2人のビキニの女の子が4周目に居なかったのがちょっと残念でした。
沿道の応援に感謝です
とにかくエイド以外では歩かない・・・
いよいよゴール、花道手前で息子2人と合流して息子2人が楽しみに待っていた”パパと一緒のゴール”です。
アナウンサーが「Mr.Nakagawa and his sons!!」と叫んでくれています。
いつもより辛く、長かった分、嬉しいゴールでした。
花道はやっぱり最高です。涙が出ます。
3人でヤッター!
完走後、マッサージなどを受けて、いつもはホテルに帰りますが、今回は初めてアイアンマンを見る実母もいたでの、最終ランナーの到着まで花道で応援することとしました。
トライアスロンは完走者全てが勝者であること。最終ランナ到着に向けてさらに盛り上がる独特のゴール会場を見せたかったからです。
ニースはイタリアにも近いためか、ラテン系の人々も多くゴール会場も盛り上がります。
花道には「かんかん娘」も現れて、音楽とダンスで完走者を皆で出迎えます。 「こんな盛り上がるんだったらもっとゆっくり帰ってきても良かったかも・・・」とさえ思ってしましました。
わーい!
Dance! Dance! Dance!
盛り上がり絶好調!
長い1日の終わりの花火です
夜10時半の競技終了と共に海上に花火が上がり長い1日が終りました。
5.アフターレース
次の日のアワードパーティーも、パスタパーティー同様に充実したものでした。 パスタに加えてサラダ、ケーキー、フルーツ、ビール、エスプレッソコーヒーなどなど食べ物も充実し、年代別表彰やダンスなど楽しいパーティーでした。
アワードではビールもたっぷりでます。
レース後は1日余裕を持っていたので、家族と共に「モナコ公国」にも足を伸ばしアフターレースを楽しめました。
@モナコグランプリで使う公道がとても狭いこと
Aモナコハーバーには金持ちの大きなクルーザーが停泊し、夢のような世界であること・・・
B公国内はメルセデスは大衆車でポルシェ、フェラーリなどが平気で走りまわっていること
などが印象的でした。
ハーバー前がF1コースです
カジノ前。短パンでは入れません。
裏道にまでポルシェが・・・
目標である「完走」は果たしたものの、自分で納得できる記録でなかったことが心残りで、「やっぱり、ちゃんと練習しなきゃ!」と痛感しました。(いつもなんですけど・・・)
6.おまけ
いったいどんな体型してるんだ??
このバイクの持ち主に会いたかった!
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