アイアンマン ランザロテ カナリア Ironman Lanzarote Canarias

Ironman Lanzarote Canarias
Swim3.8km Bike180km Run 42km
開催日:2005年 5月 21日   場所:スペイン ランザロテ島

1.ランザロテ島について

アフリカ大陸北西に浮かぶスペイン領カナリア諸島13島の中の一つで 緯度は沖縄とほぼ同じ。

カナリア諸島は大西洋のハワイと言われ、年間 1000万人の観光客が訪れる。もっとも賑わうグランカナリア島に対して、 ランザロテ島は「火山でできた風の島」と言われて、やや静かな島。

この「風」がBIKEで選手を苦しめる・・・

火山岩と溶岩に覆われ殺伐とした景色の中に、真っ白な建物の部落が 点在するコントラストがたいへん美しい島である。

白い建物が美しい島

2.島到着

今年の1大イベントとして1年前から計画し、年休と貯金をかき集めて 家族4人で入島。

英国人にも人気の島なので英国各地からの直行 チャーター便が多数あり4時間でアクセスできる。

火山の島だけあって空港 には「溶岩のオブジェ」があった。

溶岩のオブジェ@空港

宿泊は大会事務局のある「Club La Santa」というスポーツリゾートホテル」としたので、 登録・パーティーなどにも便利な上、50mプール、レジャープール、テニスコート、 陸上トラック、テニス、バトミントン、スカッシュ、ウインドサーフィンさらにはレンタル サイクルなどなど施設が充実しており、家族もハッピー。

欧米人はこういうところで数週間、のんびりとバカンスを過ごすらしい。

宿泊ホテル

3.登録、Nationsパレード

 Nations パレード

欧米を中心に33カ国から800人が参加。日本人は申し込み者4人、実参加者3人。

52歳男性と32歳独身青年と私の3人であった。

Nationsパレードには2人とも来なかったために息子たちに日本のプラカードを持たせた。

スペイン語で「Japon(パポン)」と書かれたプラカードを息子たちは不思議がっていた。


オープニングセレモニー

みんな外人?・・こっちが外人?


4、事前準備

大会2日前にはBIKEコースの一部を下見した。

風が強いバイクコース。見なけりゃ良かった

風・坂・悪い路面と3拍子そろっていて、そのコースの厳しさにスタート前から不安が増してしまった。

特に今回はBikeの練習が十分でなかったのを自覚していただけ に下見しない方が良かったかも・・・・・何の心配もなく毎日プールで遊んでいる息子たち が羨ましかった。


前日のバイクチェックイン
ゴールゲートも設置され、いよいよ明朝スタートです。

みんな強そうに見えるんですよね・・・

白バイもカラフル

前日準備中


5.当日

早朝に家族を残して宿を出発し、バスでSWIM会場へ。

準備後、長年お世話になっている Team JOYのウエットスーツに袖を通してスタートビーチへ。

すでに10年以上使っている ので、機能的にはすでに寿命だと思うが、破れもなく丈夫で愛着があるので替えられない。

ビーチで52歳の日本人と会い、お互いの健闘を祈った。

周りはほとんど外国人 (こっちが外国人か!)という状況の中、このスタートラインに立つことができた自分の環境と 健康に感謝の気持ちで一杯であった。

6.レース

スイム終了! 快調と思いきや・・・

SWIMスタート。体格の良い欧米選手とバトルしても勝ち目はないし、1日は長いので おとなしく後方からスタート。

コースは周回時上陸する1.9km×2周回のコース。

波もなくブイも良く見えて泳ぎやすい。

何より透明度が高い!水深4〜5mくらいの底の砂浜が くっきりと見え、魚も泳いでいる。

前方を見ると3人先の選手まで見える!こんな世界はじめて であった。

気分も良くSwimをフィニシュでき、タイムも1時間17分で自分としては、まあ満足。

しかし、トランジションへ行くと残っているBIKEは思っている以上に少なく、明らかに後半組 である。

後から確認した記録でも492位/759位であり、後半1/3である。欧米人って強い・・・


風が、坂が・・・つら〜い!

Bikeは島を大きく1周するダイナミックなコース。

Ironmanシリーズの中でも厳しいBIKEコースの 一つと言われてるだけあり、平地がない!大きな峠5つを含めて登坂累計2551m(公式発表) というタフなコース。

そしてさらに常に強い北風が吹き続けている。溶岩に覆われた島には 林も少なく、風をさえぎるものがない!つらい!。

北へ向かう峠では歩くより遅いスピードでも とにかく進むしかない。

北の折り返しを過ぎれば追い風なのでスピードには乗れるが、突然の 横風による落車の恐怖との戦いで息が抜けない。

風があるため暑さはそれほど感じないのが なによりだが、乾燥した荒野や溶岩の中のコースなのでとにかく喉が渇いた。

100km地点の 標高600mを北風に向かって登り続ける難所ではもうやめたくなったが、「バイクのゴールで待ってる からね」と言った息子たちの言葉と「リタイヤした」とJOYの仲間に報告したくなかったという2つの 理由がなんとか自分を我慢させた。

結局、7時間半も奮闘し、なんとかBIKEフィニッシュ。

コースの厳しさはあるものの、やっぱり自分自身のBIKE練習不足が何よりの原因なので、 次回に活かしたいと思ってます。(「言い訳なし」ですよね・・)

こんな環境の中でもTOP選手は5時間で走り抜けている、その強さには驚いた。


Runはバイクゴールから海岸沿いに片道5km強を4往復する周回コース。

ゴール手前20mで Uターンして周回する。

応援する人にとっては良い設定だが、走る方にとっては特に2週目、3週目が きつい。

しかし、コースの両サイドには常に応援の人がいる。

「グッジョブ!」「ブエノ!」「ベンガ!」 「ウェルダン!」と欧米の色々な言語での応援が楽しく嬉しい。

走っている選手もすごいが 何時間も沿道で拍手をして、声を出して全ての選手に応援している方々はもっとすごい。

彼らこそほんとの勝者だと思う。

とにかく歩かない。それだけです

疲れた足であったが、周回ごとにゴール周回エリアでもらう家族からの応援が何よりの励みで とにかくエイド以外では歩かないことだけを守り、前へ進んだ。

いよいよゴール前、「パパと一緒にゴールしたい」と言っていた息子たちの以前からの希望を かなえられる時が来た。

息子2人とゴール前50mほどを併走してゴール!我慢のレース だっただけに心から嬉しかった。

パパの夢、息子の夢、ゴール前併走

ゴール!


7.後日

アワードパーティは立派で、食事もワインつきのスペイン料理であった。

大きな丸テーブルには各国から集まったそれぞれのグループが話に花を咲かせた。

私は入り口で会った32歳の日本人とともにアメリカとスイスからの選手たちと同席した。

みんな同じゴールに向かって頑張ってきた人同士のため、親しくなるのに時間はかからなかった。

今回の優勝はエストニアのプロであるが、エイジ入賞の傾向をみると欧州内では ドイツ、スイス、デンマークが強いようである。

どこも几帳面な文化を持った国だからだろうか?

スペイン料理はやっぱり最高!


今回はレース後、3日間の余裕を持っての滞在としたため、家族とものんびり過ごせた。

ホテルの無料Rental Bikeでレースコースを家族でサイクリングしたり、ビーチでのんびりしたりして英国に帰国した。

5月でも肌寒い英国では、真っ黒に日焼けした家族4人は完全に浮いていた。

 Bikeコースをサイクリング

ゆれるJOYジャージ 見える?


8.海外レース

現地で会った32歳の独身青年はTA歴10年以上であるが、ここ8年間は年1回の海外レースを 基本に活動しているとのことで、アメリカ、オーストラリア、欧州などこれまで8レースに参戦して いる。

それも費用を抑えた海外参戦を心がけているとのこと。今回も往復16万円の格安航空券を 入手して、宿もWebで安いものを探し、そして追加手荷物料金を避けるため、バイクも含めて 20kg以下になるように最低限の服しか持ってこないというのだから、その徹底度がすごい。

こんな楽しみ方もあるのかと感心した。

   有言・無言のTeam JOYからの応援ありがとうございました。

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